便器としての調教を志願し現れたお前は、初めて会った時からもう泣きそうな顔をしていた。倒錯した欲望に捕らわれ、ずっと彷徨ってきたのでしょう。震え、感情の箍は外れかけているけれど、お前に必要なのは優しくされることだけではないわね。本当の意味でお前に必要なものを教えてあげる。だって、お前はそんな風に生まれてしまったのだもの。



四肢の動きを制限され、顔を奪われたお前が人間としての形を保つ必要はない。ここではすべてを忘れ、私の所有物として生きなさい。お前の感情、お前の欲望、お前の快楽、お前の持てるものの全てを私に委ね捧げなさい。

手足の枷同士をつながれ、歩幅は狭められる。そのまま追い立てられ、必死になってもまともに動くことすら出来なくなってしまう。ぎこちない歩行と間抜けな動きは惨めで、隷属するモノにふさわしい。

そのまま苦しい体勢でお前の顔を椅子として使う。私の大切な場所の匂いをもっと必死に嗅ぎなさい。頑張らないと首が折れてしまうわよ。呼吸をするたびに私の匂いがお前の内に入り込む。

もっともっとお前の脳裏に焼き付けるの。私が着替えるときにはお前の首を洋服掛けとして使いましょう。汗にまみれた私の服でお前の顔を覆ってあげるわ。抵抗することは許されない。私の毛穴から流れ出た汗の匂いもしっかりと覚えなさい。

けれど、今のところは私が絶対服従を教え込む必要もなさそうね。こんな扱いを受けるお前の全身から悦びが噴き出しているのだもの。


そう、それがお前の所有者の匂い。
これからお前を支配する者の様々な匂いを身体中に纏い、覚えさせられてくのよ。

それどころか、お前を構成する成分までもが、少しずつ私のものに置き換えられていくの。
何処にいても何をしていても、お前は私のために存在するように変えられてしまうのよ。

お前はすでに堕ちる寸前。快楽のスイッチは私に奪われてしまった。脇を押し付けられて匂いを嗅ぐことを強制されたお前は、それだけで何度も何度も逝かされてしまう。